銅製アイスクリームスプーンに込められた思い・・・。

こんにちは。U+RooLee(ゆるり)運営スタッフの「ぎっさん」です。今回は、当社の商品「銅製アイスクリームスプーン」についてお話しようと思います。

企画が生まれた背景

この商品の発売は2016年。我社が創業70周年を迎える年に発売されています。アイスクリームスプーンの企画はその少し前からあり、当初はステンレスやアルミの板材を加工するつもりでいました。ちょうど、カップアイスに付いてくる木製のスプーンのような形状をイメージしていたのです。

当初の製品イメージ

そこへ我社が70周年を迎えるということで、何か製品に思いをのせられないか? となり、試行錯誤が始まりました。

ただのスプーンでは物足りない。アクセサリーにも見えるような、そんなこだわりの製品にならないか? などと周囲から意見が出ます。「うーん。どうしたらいいのか・・・。」と悩む日々。

そこで、我社の歴史をひも解いてみました。創業は1947年。車好きの私は、「あ、フェラーリと一緒なんだ・・・。と気が付き、根拠のないやる気を出します!

創業当時の社名は、「燕伸銅株式会社」。そうなのです。我社は社名があらわす通り、銅を伸ばして板材を作り、洋食器の材料として販売することからスタートしたメーカーなのです。ならば、創業当時の「伸銅」に敬意を払い、材料は銅にしてみようと・・・。熱伝導率も高いしうってつけだと考えました。

また、現在の我社はステンレス線材をメインに様々な加工品を手がけており、線材の扱いにはコダワリがあります。ならば、銅の線材(棒材)を材料にして、それをプレス加工してできる形状にしてこだわってみようと考えたのです。創業当時のお仕事と現在のお仕事が、同時に表現できる! そんな思いのこもった製品となるように。

いきなり壁にぶつかる

「よし!この案でいこう!」と思ったのも束の間・・・。自社では銅の加工が出来ませんので、協力して頂ける工場を探すのですが、なかなか思いようにはいきません。

いくら地元燕市が洋食器のメッカだとはいえ、それは昔のお話。現在は洋食器を製造するメーカーは限られ、しかも銅で作るとなるとさらに少なくなります。あちこち聞いて回り、何とか昔お付き合いのあったH氏の協力を得て、ようやく作れそうな雰囲気になりました。

「これでいけるか?」と思ったのですが、まだまだ苦難は続きます。H氏とどんな形状が出来そうか相談するのですが、H氏も実は手探りの状態。いわゆるスプーンのカタチなら、「できるよ。」と言ってもらえるのですが、今回はコダワリの・・・ですから、「こうじゃないよね。」と周囲から一蹴されます。とりあえず、希望する形状を考えてモックアップを作りました。

「こんなカタチなら出来るよ。」と提案されたが、イメージするのはいわゆるスプーンのカタチではなかった・・・。

3Dプリンターで製作した初期のモックアップ

H氏にモックアップを見て頂くと、「ちょっと難しそうだよ。形状の細部が上手くプレス加工で出せるか不安だよ。」とのこと。

かといって、どう修正すればいいのか、お互い分かりません。そうそう、言い忘れましたが、私もスプーン作りは初めてですので何も分からないままスタートしています。意見など出せるはずがありません。

そこで、H氏が、「まぁ、こうしていても進まないから、簡易な型を作ってやってみようか?」とご提案くださり、「そうしましょう!」となりました。(そう答えるしかありませんから!Hさんありがとうございます!)

魂の試作品から商品完成まで

しばらくして、「試作してみたよ。」と連絡が入り、見てみることに。やはり、一回では希望の形状にはなりません。ツボ(口に含む部分)の深さや、全体の形状のまとまりが思うようににはいきませんでした。

「線材をプレス加工で、、、というコンセプトを崩せば、他にやり方があるけどね」とH氏は言いますが、そこは崩せませんよね・・・。

検討用の試作品。色々なことを試していただきました。

その後、時間をかけて、試作製作⇒意見の交換⇒妥協点探し、を何度か重ねるうちに、少しずつ思うかたちに近づきました。(具体的には言えなくてすみません!)往年の燕市の職人さんや製造に携わる人たちのプライドを感じる期間でした。本当にありがとうございました。

ようやく思い通りの形状になり、スプーンが完成したのです。

イメージに近いが裏面の段差が検討の焦点となる。

最終案 裏面の段差は解消されてスムーズなラインを得ることができた。

うるし調や艶消しのブラック仕様の案もあったのですが、コスト的に見合わず断念!

ひとつのモノづくりに、たくさんの人と試行錯誤

後でお聞きしたことですが、通常のスプーンを作る場合の「あたりまえ」が、今回の場合はあたりまえではないケースもあり、携わって頂いた職人さんとのやりとりが難しい場面もかなりあったとH氏から聞きました。

あらためて、モノを作るって大変なことであり、一人じゃとても出来ないのだと感じたことを記憶しています。しかし、色々な人と関わりを持たせていただき、製品が出来上がる過程は、大変ですが楽しいものです。私自身も成長できますしね。

今回はこのあたりで終わりにしますが、実は、木製トレーも簡単じゃなかったのです・・・。そのお話はまたの機会に!

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