コーヒー器具の中にはドリップスタンドなるアイテムがあります。

ハンドドリップの器具を揃えるときに、ドリップスタンドも揃えたほうがいいのか迷ったことがある人も多いのではないでしょうか。結論をいいますと、ハンドドリップを始めるためにドリップスタンドは絶対に必要な器具というわけではありません。

しかし、なぜこの世の中にはドリップスタンドがあるのか?

何かしらの意味があるからこそ市場に存在しているわけなので、今回はドリップスタンドを使う意味と使われるようになった背景を紹介していきます。

ドリップスタンドが使われるようになった背景

ドリップスタンドが使われるようになった背景は、サードウェーブコーヒーの影響が大きいと言われています。

コーヒーブームの波

サードウェーブコーヒーとは、コーヒーブームの第3の波を意味します。

第1の波は、インスタントコーヒーの登場によってコーヒーが大量消費されるようになった19世紀後半~1960年頃。

第2の波は、スターバックスに代表されるチェーン店が広まり、深煎りやカフェラテといった様々なコーヒーが飲まれるようになった1960年頃~2000年頃。

第3の波は、産地や生産者をわかるようにし、品質管理や淹れ方などの各工程の質を高め、コーヒー本来の個性ある美味しさを重視する一杯が飲まれるようになった2000年頃~現在。

コーヒーのブームには大きくこの3つの波があるとされています。

サードウェーブコーヒーとドリップスタンド

日本では2015年頃からサードウェーブコーヒーの注目度が高まりました。バリスタがハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れるスタイルが流行り、人に見られながら淹れることも増えてきました。

そして、これに合わせてドリップスタンドが見た目の演出効果や利便性を兼ねて使われるようになってきました。

つまり、ドリップスタンドが使われるようになった背景には、丁寧に淹れる一杯への関心が高まったからという背景があります。

ドリップスタンドの意味

ドリップスタンドを使うことには次のような意味があります。

抽出の様子を目で確認できる

コーヒーカップは陶器のものがほとんどですが、透明でないカップに直接ドリップすると抽出の様子を目で確認できません。

たとえば、蒸らしの適量サインには「コーヒーがポタポタ落ちてきたら適量」といったものがありますが、中が見えない場合にはこのサインを目で確認できません。

かといって、ちょくちょくドリッパーを持ち上げて確認するのも手間ですし、バリスタのように人に見られることを前提とした場合、コーヒーを淹れる所作の美しさに欠けます。

そんな時にドリップスタンドを使えば抽出の様子を目で確かめながらドリップできるので、抽出作業をやりやすくしてくれます。

抽出したコーヒーの量を正確に測れる

スケールを使ってカップに直接ドリップする場合、注湯量を計測できますが、実際にカップの中に何ccのコーヒーが落ちたのかを正確に測ることはできません。

これはドリッパーに注いだお湯がペーパーフィルターや豆に吸収され、カップに落ちる湯量がどうしても少なくなってしまうためです。

しかし、ドリップスタンドを使えば注湯量を測ることはできなくなる代わりに、カップの中に何ccのコーヒーが入ったのかを正確に測ることができるため、お客様に一定量で提供したいときなどに便利です。

高さ調節ができる

作業位置が高くなると困ってしまう場合には使えませんが、その逆に作業位置が低い場合、たとえば背の高い人がスタンディングでドリップする際、テーブルが低いとドリップしづらいことがあります。

ドリップスタンドには高さ調節ができるタイプもあるので、低くて作業しづらい場合に高さ調節のために使うこともできます。

演出効果で気分が上がる

コーヒーを淹れる際にドリップスタンドがあると、やはり雰囲気が違ってきます。

実際に淹れるコーヒーの味が変わるわけではありませんが、専門性が高いコーヒー器具を使ったドリップ体験は淹れ手の気分を盛り上げ、コーヒーをいつも以上に愉しいものへと変えてくれます。

ドリップスタンドがある贅沢な時間

工程ひとつひとつを大事にし、ハンドドリップで丁寧に淹れる一杯。

ドリップスタンドには演出的な側面もあれば、機能的な側面もあります。コーヒーの淹れ方や愉しむシーンなど、コーヒーのスタイルは人それぞれですが、ドリップスタンドを持っている人だけが味わうことができる贅沢な時間が確かにあります。

ドリップスタンドがある、乙な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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